Src論文

ちょっと時間がたったけれど、Src論文がオンラインに@elife。これは、神戸大博士学生の西田くんがとても頑張ったおかげで完成した仕事。西田くんがいなければ、論文になっていない。西田くんが頑張ってくれたおかげもあって、結構スッと通った印象。ただ、このプロジェクトの成り立ちは例のごとく複雑。

そもそもこのプロジェクトは西田くんのサイドプロジェクトとして始まった。西田くんのメインのプロジェクトは、SrcやRasなどの癌遺伝子でガンを作った時に、それが個体に与える影響を調べる、というものだった。で、これが結構難航した。

西田くんのたぶん研究者(というか、大学院生)としての生存本能で、何かサイドプロジェクトをやりたい、と提案してきて、それじゃあ、癌遺伝子による細胞死に着目してみよう、いうことになった。この時も、細胞死というけれど、真の狙いはネクロプトーシスだったんだけれど、ネクロプトーシス関係ではあんまりうまくいかず、でも、結局、Srcの下流でSlprが働く、ということがわかった。

ここで、Srcの下流でただslprが働くというと、シグナル伝達の重箱の隅をつついてだから何?という感じになるわけで、ここでちょっと、プロジェクトの枠組みを路線変更して、「癌遺伝子は、細胞増殖と細胞死をどのようなメカニズムで同時駆動するのか?」という枠組みに変えた。この枠組みが結構ハマって、研究がうまい具合にまとまった。このプロジェクトはデータが素晴らしいというより、いわゆる”packaging”がうまくいった例。あと、以前在籍していたLynnaがとった栄養関係のデータもかなり役立った。

以下がリヴァイズの記録。

2020年6月

コロナ禍の中、elifeに投稿。

 

2020年8月

2ヶ月待って返事がこず。2ヶ月たっても返事が来なくて催促したら、すぐ返事がきた。正直この論文の評価は自分の中でもどう考えたらよいのかよくわからないところがあって、3人のレヴューアーが基本的にポジティヴで、あ、結構評価されるんだ、というのが第一印象。

eLifeは、3ヶ月以内にできることだけやって、全部のレヴューアーのツッコミに答えなくてよいというのが売りだったはずだけれど、エディターは、コロナもあるし、自分で大事だと思う論点を決めて、無期限でリヴァイズしてね、とのこと(ズコッ)。eLifeのshort reviseを狙っていたのに。。。

 

2021年1月

リヴァイズ実験はやればやるほど、ちょっと微妙なデータが出たりして沼にハマった感があったけれど、コロナ禍の中、なんとかリヴァイズを終了。西田くんが頑張りました。基本全部のポイントに答えるかたちでリヴァイズ。投稿。

 

2021年3月

よくわからないけれど、1ヶ月以上エディターで謎のストップ。催促を何度かして、それでようやくリヴァイズ論文投稿後2ヶ月後に返事があって、あっさりアクセプト。

2017年(4年前!)の焼肉の写真。酔っ払っているNくん。

2017年(4年前!)の焼肉の写真。酔っ払っているNくん。